コラム:ニコニコ動画史におけるコマンドー動画の変遷について~前編~

注意:本記事はニコニコ動画のブログサービス通称「ブロマガ」にて2017年5月23日に公開された記事をブロマガ終了に伴って移行したものになっております。

 

アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画『コマンドー』。



劇場公開から30年以上たっても根強い人気を誇り、テレビ放送されればネットではお祭り騒ぎ吹き替え二種を収録したブルーレイは当初5000枚限定のはずが予約が殺到したことにより急遽1万枚に増産され制作30周年を迎えた2015年にはまさかの新吹き替えを収録されたディスクが発売される、などからもその人気の高さが伺えます。

ニコニコ動画においても定期的に新作動画が挙げられ、一大コンテンツとなっています。
そのコマンドー動画はニコニコにおいてどのような変遷を辿ったのか、本記事で取り上げていきたいと考えてます。

1.コマンドー動画黎明期~この頃からすでに原型はできていた~
まず最古のコマンドー動画が投稿されたのは今からちょうど10年前です。↓

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FF:U」というファイナルファンタジー原作のアニメ作品×コマンドー、といいたいのですが後半のコラ画像がメインのようにも感じます。

そして、2007年7月20日コマンドー日本テレビの「金曜ロードショー」で放送された影響か、7月に数本の動画が投稿されています。

その中で特に注目すべきなのが以下の二つです

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この二つを視ていただければお分かりになると思いますがこの二つの動画は、コマンドー本編とは直接関係のない番組予告音声を素材に利用する、アニメ本編にコマンドーのセリフを挿入する本編吹き替えMAD、という点です。
これは2017年現在におけるコマンドー動画における

コマンドーだけでなくそれ以外のアクション映画などを音声素材に利用する
②アニメ本編のセリフなどを改変していくアニメ本編吹き替えMAD


という要素はコマンドー動画黎明期の時点で誕生していたという事を示しています。

その後ゴリ押し音MADである「シュワ✩すた」

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プレデターターミネーターなどの他作品も素材として使用している点にも注目したい。

アニメ吹き替えMADである「『短編動画』コンボイVSベネット』」

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地味に口パクと音声が一致している

などが投稿されますが、徐々に下火になっていきます。

しかしながら2008年9月18日にコマンドー木曜洋画劇場にて放送された事(放送3週間前に2chのテレ東実況本スレが立った逸話もこの放送)がきっかけに再びコマンドー動画の人気に火が付き、

きしめんコマンドーを契機に次々にコマンドー動画が投稿されていきます。

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音MADも洗練されているのがわかります。

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また上のの音MADを制作したyhmfsng」氏によりコマンドーランキングが投稿され、当時の熱量の高さを知ることができます。

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2.コマンドー音MAD最盛期~人力ロイドもこの頃から~
2009年10月に「コマンドコマンド【マイムマイム】」という音MAD動画が投稿されます。

この動画の影響は凄まじく、「歌ってみた」で投稿する人も出てきた事からも当時の熱狂は伺えます。

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本動画を制作した「Matliyax」氏は同年の5月頃からコマンドー動画を投稿し始め、その後もコマンドー動画を投稿しています。

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その後けいおん!!」MADでコマンドー動画が音MAD界以外にも浸透していっています。

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放課後ドンパチタイム」なるニコニコ大百科記事も作られています。

本編吹き替えMADも少しずつでありますがあがってきています。

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こちらも「ホマンドーなる大百科記事が

そして2011年4月、コマンドー動画に大きな波が訪れます
そう、「日常OPMAD」です。

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上はこの頃にはコマンドーMAD常連となっている「Matliyax」氏。
下は現在も活動中(ただしコマンドーMADは作っていない・・・)「単三型」氏

後にNHKで放映されるという快挙をなしとげたTVアニメ『日常』当時大人気だったアニメのOPMADが同時に二つも投稿された事の影響の大きさは測りしれません。
更に同じ作者たちによって二期のOPMADが投稿され、更にコマンドーの人気は高まります。

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一期と二期で再生数が逆転してるのも面白いですね。

音声素材を単体で投稿されるようになったのもこの頃からです。

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ニココモンズに登録されるのは2012年9月頃から


そして、コマンドー動画の歴史にもっとも影響を与えたといっても良い『あの動画』が登場する事になります・・・

と、ここまでコマンドー動画の歴史を約4年半ほど辿っていきましたが、
もうこの時点でかなりの文字量となっていますので、ここで一旦締めさせていただきます。


後編はこちら。

 

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ご拝読ありがとうございました。